カトリック教会のお知らせ

教皇レオ十四世、使徒的勧告『Dilexi te』を発表
2025-10-14
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教皇レオ14世は2025年10月9日最初の使徒的勧告『Dilexi te』を発表しました。
タイトル「Dilexi te」は「私はあなたを愛した」という意味で、黙示録 3・9 の言葉に由来します。この文書は、故教皇フランシスコが晩年に着手していた、貧しい人々への教会の配慮に関する勧告を継承・発展させたもので、レオ14世が冒頭に自身の見解を加えて発表しています。
貧困、教会の使命、構造的な不正義、継続的な挑戦などについて述べています。
日本語訳は後日カトリック中央協議会より刊行の予定です。

教皇レオ十四世、10月のロザリオの祈りについての呼びかけ
2025-09-26
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教皇レオ十四世は、2025年9月24日の一般謁見演説の講話の終わりに、10月のロザリオの祈りについて、次の告知を行いました。

 親愛なる兄弟姉妹の皆様。間もなく始まる10月は、教会においてとくに聖なるロザリオにささげられます。それゆえわたしは、来月、毎日、個人として、また家庭と共同体で、平和のためにロザリオを祈ってくださるよう皆様を招きます。

 さらに、バチカンで奉仕してくださっている皆様に、毎日19時からサンピエトロ大聖堂でロザリオの祈りを唱えてくださるように招きます。

 とくに10月11日(土)18時(日本時間:翌12日午前1時)から、サンピエトロ広場で、マリアの霊性の祝祭の前晩の祈りの中で、また第二バチカン公会議開幕も記念して、ともにロザリオの祈りをささげます。(ロザリオの祈りは次のURLからライブ配信でご視聴いただけます https://www.youtube.com/live/J6MqpK91bEA?feature=shared

ウクライナ:教皇「武器の論理を捨て、交渉と平和の道へ進む時」
2025-09-01
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教皇レオ14世は、8月31日(日)の正午の祈りで、戦争による犠牲者が絶えないウクライナの状況に、即時停戦と対話の努力を改めてアピールされた。

 「残念なことに、ウクライナにおける戦争は死と破壊をもたらし続けている」と教皇は述べ、ここ数日も、首都キエフを含む複数の都市への爆撃で、多くの犠牲者が出ていることを憂慮された。

 レオ14世は、ウクライナ国民と、傷ついたすべての家族に、ご自身の精神的な寄り添いを改めて表明。

 同時に、無関心に陥ることなく、祈りと具体的な慈愛の業を通して連帯するよう、皆に呼びかけられた。

 教皇は、即時停戦と真摯な対話への取り組みの必要を再び強調。

 「今こそ、武器の論理を捨て、国際社会の支援のもとに、交渉と平和の道へと進むべき時です。武器の音が止み、兄弟愛と正義の声が上がるべき時です」と、責任者らに訴えられた。

レオ14世「8月22日、平和のための断食と祈りを」
2025-08-21
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教皇レオ14世は、8月20日の一般謁見で、翌々日22日に平和のための断食と祈りを呼びかけられた。

 カトリック教会の典礼暦は、8月22日、典礼暦で「天の元后聖母マリア」を記念する。

 一般謁見の席で、この記念日に触れた教皇は、「マリアはこの世を生きる信者たちの母であり、『平和の元后』としても、より頼まれている」と話された。

 聖地や、ウクライナ、そして他の多くの地域で、世界が戦争によって傷つけられ続けている今、来る8月22日を、「断食と祈りの日」として過ごすよう、すべての信者を招かれた。

 そして、主がわたしたちに平和と正義を授けてくださるように、また、現在も続く武力紛争に苦悩する人々の涙を主が拭い去ってくださるように祈り求めよう」と呼びかけられた。

 教皇は、人々が平和の道を見出せるように、平和の元后、マリアの取り次ぎを祈られた。

教皇レオ十四世、2025年8月5日、原爆投下80年に際してのメッセージ
2025-08-07
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広島司教 アレキシオ白浜満様

 広島と長崎への原爆投下80年を記念して集まられたすべてのかたがたに心からご挨拶申し上げます。とくにわたしは、生存する被爆者のかたがたに敬意と愛情の思いを表明いたします。彼らの喪失と苦しみの歴史は、より安全な世界を築き、平和の環境を推進するために、わたしたち皆への時宜を得た呼びかけです。

 長い年月がたってなお、2つの都市は核兵器がもたらした深刻な恐怖をまざまざと思い起こさせ続けます。その街路、学校、家は、あの運命の1945年8月の――目に見えるものも霊的なものも含めた――傷跡を今もとどめています。この関連で、わたしは愛する前任者、教皇フランシスコがしばしば用いたことばを繰り返すように促されます。「戦争はつねに人類にとって敗北です」。

 長崎の被爆を生き延びた永井隆博士はこう書いています。「『愛』の人は、すなわち『勇』の人であり、勇の人は武装しない」(『平和塔』中央出版社、1979年、9頁)。実際、真の平和は、勇気をもって武器を――とくに、筆舌に尽くしがたい大惨事を引き起こす力をもつ武器を降ろすことを要求します。核兵器は、わたしたちの共通の人間性を傷つけるとともに、被造界の尊厳をも裏切ります。わたしたちはこの被造界の調和を守るように招かれています。

 世界的な緊張と紛争が激化する現代において、広島と長崎は「記憶の象徴」(教皇フランシスコ「アレキシオ白浜満広島司教への手紙(2023年5月19日)」)として立ち上がります。それは相互確証破壊に基づく安全保障の幻想を拒否するようにわたしたちを促します。むしろわたしたちは、正義と兄弟愛と共通善に根ざしたグローバルな倫理を築かなければなりません。

 それゆえ、わたしは、この荘厳な記念日が全人類家族のための永続的な平和――「武器のない平和、武器を取り除く平和」(「最初の祝福(2025年5月8日)」)の追求を新たにすることへの国際社会への呼びかけとして役立つことを祈ります。

 この日を記念するすべてのかたがたに神の豊かな祝福を心から祈ります。

 バチカンにて、2025年7月14日

教皇レオ十四世

教皇レオ十四世の紋章とモットーの説明
2025-05-15
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紋章

盾の左上は青地に銀色の百合。右下は矢で貫かれた燃える心臓。これらの全体は赤色で、閉じられた本の上に置かれる。

盾の上には銀色のミトラ(司教冠)。ミトラは、三本の金色の帯と一本の金色の縦棒で飾られる。ミトラは、ひらめく赤色の垂飾りで裏打ちされる。垂飾りには金色の十字架と房がついている。垂飾りの前には交差したペトロの鍵(向かって左上部から右下部が金色、向かって右上部から左下部が銀色)。二つの鍵は赤いひもで結ばれている。

モットー

IN ILLO UNO UNUM.

説明

紋章左上の青地は天の高さを思い起こさせ、マリアを表す。百合は古代から聖なるおとめマリアの象徴(「花々の中の花」[flos florum])。

紋章右下の白地に描かれた、矢で貫かれた燃える心臓は、聖アウグスチノ修道会の象徴。この図像は、『告白』(Confessiones IX, 2, 3〔山田晶訳、『世界の名著14 アウグスティヌス』中央公論社、1968年、290頁〕)で聖アウグスティヌスが述べたことば「あなたは私たちの心を、愛の矢で貫かれました」(Sagittaveras tu cor nostrum charitate tua)を象徴的に表す。この図像は16世紀以降、聖アウグスチノ修道会士の紋章で用いられてきた。紋章にはさまざまなバリエーションが伴う。たとえば、聖アウグスティヌスがそうであったように、すべての人の心を変容させることができる神のことばを象徴的に示す、本である。本は、恩寵博士アウグスティヌスが教会と人類に与えた、輝かしい諸著作も想起させる。白地(教皇紋章においては象牙色)は修道会の他の紋章にもしばしば用いられ、聖性と純潔の象徴と解釈される。

モットーの「わたしたちは彼(キリスト)のうちに一つである」(In illo uno unum)は、聖アウグスティヌス『詩編講解』(Enarrationes in Psalmos LXXXVIII, sermo 1, 7)のことば「わたしたちは多くの子たちなのである。彼は独りであり、わたしたちは彼にあって一つである」(Ille unicus, nos multi; ille unus, nos in illo unum〔荒井洋一・出村和彦・金子晴勇・田子多津子訳、『アウグスティヌス著作集19/Ⅱ 詩編注解(4)』教文館、2020年、364頁〕)の引用。

アントニオ・ポンピリ
イタリア紋章・系図研究所副所長


新教皇レオ十四世(ロバート・フランシス・プレヴォスト[Robert Francis Prevost][聖アウグスチノ修道会])略歴
2025-05-12
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前教皇庁司教省長官、チクラヨ(ペルー)名誉大司教。


1955年9月14日、シカゴ(アメリカ合衆国イリノイ州)生まれ(69歳)。1977年、セントルイス、聖アウグスチノ修道会、善き勧めの聖母(Our Lady of Good Counsel)管区の修練院に入る。1981年8月29日、終生誓願を宣立。シカゴ・カトリック合同神学校(Catholic Theological Union of Chicago)で学び、神学部を卒業。

27歳で聖アウグスチノ修道会からローマに派遣され、教皇庁立聖トマス・アクィナス大学(アンジェリクム)で教会法を学ぶ。1982年6月19日、司祭叙階。1984年に教授資格を得、ペルー、ピウラのチュルカナスでの宣教活動のために派遣される。

1987年、「聖アウグスチノ修道会の地方修道院長の役割」のテーマで学位を取得。同年、アメリカ合衆国イリノイ州オリンピア・フィールズの善き勧めの聖母管区の召命責任者・宣教責任者に選ばれる。1988年、チュルカナス、イキトス、アプリマク使徒座代理区の聖アウグスチノ修道会志願者の共同養成プロジェクト責任者としてトルヒーリョ宣教に派遣される。同地で、共同体修道院長(1988-1992年)、養成責任者(1988-1998年)、誓願宣立者の教師(1992-1998年)を務める。トルヒーリョ大司教区で、法務代理(1989-1998年)、「サン・カルロス・エ・サン・マルセロ」大神学校の教会法、教父学、倫理学教授を務める。

1999年、シカゴ、善き勧めの聖母管区管区長に選ばれる。2年半後、修道会通常総会で総長に選出される。2007年、通常総会で同職を再任される。2013年、自らの属するシカゴ管区に戻り、誓願宣立者の教師および管区代理を務める。2014年11月3日、教皇フランシスコによりチクラヨ(ペルー)教区使徒座管理者に任命され、司教に上げられ、スファル教区名義司教となる。11月7日、聖座大使ジェームズ・パトリック・グリーンの面前で教区の教会法上の所有権を得る。12月12日、グアダルーペの聖母の祝日に教区司教座聖堂において司教叙階。2015年9月26日よりチクラヨ司教。2018年3月、ペルー司教協議会第二副会長。2019年、教皇フランシスコにより教皇庁聖職者省委員に、2020年に司教省委員に任命される。

2020年4月5日、教皇フランシスコによりカヤオ教区使徒座管理者に任命される。

2023年1月30日、教皇庁司教省長官、ラテン・アメリカ委員会委員長。

2025年2月6日、教皇フランシスコにより司教職階に上げられ、アルバノ首都近郊管区教会名義を与えられる。

2023年9月30日の枢機卿会議で教皇フランシスコによりサンタ・モニカ助祭枢機卿として叙任・公表される。

教皇庁福音宣教省初期宣教部門、教理省、東方教会省、聖職者省、奉献・使徒的生活会省、文化教育省、法制省、バチカン市国委員会委員。

新教皇選出される
2025-05-12
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©VATICAN MEDIA

5月8日(木)午後6時9分(日本時間9日午前1時9分)、システィーナ礼拝堂の煙突から教皇選出を告げる白い煙が上がり、サンピエトロ大聖堂の鐘が鳴らされました。


コンクラーベ開始2日目、午後の1回目(最初から数えて4回目)の投票による選出でした。

午後7時13分(日本時間9日午前2時13分)、サンピエトロ大聖堂バルコニーに助祭枢機卿のドミニク・マンベルティ枢機卿が現れ、新教皇選出を告げました。

その後、午後7時23分(日本時間9日午前2時23分)ロバート・フランシス・プレヴォスト枢機卿(初の北米大陸出身の教皇)が現れました。

新教皇はレオ14世(LeoXIV)を名乗りました。

教皇フランシスコ、復活祭メッセージ(ローマと全世界へ)(2025.4.20)
2025-04-28

教皇フランシスコ、復活祭メッセージ(ローマと全世界へ)
2025年4月20日

2025年4月20日(日)正午(日本時間午後7時)から、サンピエトロ大聖堂バルコニーから教皇フランシスコによって発表された復活祭メッセージ。メッセージは教皇儀典室儀典長のディエゴ・ラヴェッリ大司教が代読した。終わりに教皇が祝福を送った。

 キリストは復活されました。アレルヤ。

 兄弟姉妹の皆さん。復活祭おめでとうございます。

 今日、教会ではついにアレルヤが唱えられます。それは、口から口へ、心から心へとこだまします。それは全世界の神の民に喜びの涙を流させます。

 エルサレムの空の墓から、聞いたことのない知らせが届きます。十字架につけられたイエスは、「ここにはおられない。復活なさったのだ」(ルカ24・6)。イエスは墓にはおられず、生きておられます。

 愛は憎しみに打ち勝ちました。光は闇に打ち勝ちました。真理は偽りに打ち勝ちました。ゆるしは復讐に打ち勝ちました。悪はわたしたちの歴史から消えていません。悪は最後までとどまります。しかし、悪はもはや支配していません。悪は、今日の恵みを受け入れた人々には力をもちません。

 姉妹兄弟の皆さん。とくに苦しみと不安のうちにある皆さん。皆さんの沈黙の叫び声は聞き入れられました。皆さんの涙は受け入れられました。その一つも失われることはありません。イエスの受難と死によって、神は世のすべての悪をご自身に受け止め、限りない憐れみによって悪を打ち負かしました。人間の心を汚染し、暴力と腐敗の種をいたるところにまきちらす悪魔の傲慢を根絶やしにされました。神の小羊は勝利しました。だから今日、わたしたちは叫びます。「わたしの希望、キリストは復活した」(復活の続唱)。

 そうです。イエスの復活は希望の基盤です。この出来事から、希望することはもはや幻想でなくなります。そうです。十字架につけられたキリストのおかげで、希望は失望に終わることはありません。「希望は欺くことがありません(Spes non confundit)」(ロマ5・5参照)。希望は逃避ではなく、約束です。希望は疎外ではなく、責任です。

 神に希望を置く人々は、その弱々しい手を神の大きく力強い手に置きます。彼らは高く上げられ、旅に出ます。彼らは復活したイエスとともに希望の巡礼者となります。愛である方の勝利の証人、いのちである方の武器をもたない力の証人となります。

 キリストは復活されました。この知らせの中に、わたしたちの人生の意味全体が含まれています。わたしたちの人生は、死のためではなく、いのちのために造られたからです。復活祭はいのちの祭りです。神はいのちのためにわたしたちを造られました。そして、人類が復活することを望まれます。すべてのいのちは神の目に貴いものです。母親の胎内の子どものいのちも、高齢者と病人のいのちも。これらの人々はますます多くの国で捨てられるべき存在とみなされています。

 わたしたちは日々、世界のさまざまな地域で行われる多くの紛争の中に、どれほど死への望みを見いだすことでしょうか。家庭の中で、女性や子どもに対してどれほど暴力がしばしば振るわれるのを目にすることでしょうか。弱い人、疎外された人、移住者へのさげすみが、時としてどれほど大きくなっていることでしょうか。

 今日、わたしは、希望と、他者への信頼を新たにしたいと思います。近くにいる人も、習慣、生き方、思想、見慣れないさまざまな服装を携えて遠くから来る人も含めて。なぜなら、わたしたちは皆、神の子だからです。

 わたしは、平和が可能であるという希望を新たにしたいと思います。聖墳墓の復活教会から――そこでは、今年、復活祭がカトリック信者と正教会信者によって同じ日に祝われます――、平和の光が聖地と全世界に広がりますように。わたしは、パレスチナとイスラエルのキリスト信者の苦しみに、全イスラエル人とパレスチナのすべての民に寄り添います。全世界に広がる反ユダヤ主義の風潮の高まりに懸念を覚えます。同時に、わたしは、ガザの人々、とくにキリスト教共同体に思いを致します。そこでは、恐ろしい紛争が、死と破壊を生み出し、悲惨で忌むべき人道状況を引き起こし続けているからです。すべての紛争当事者に呼びかけます。攻撃をやめ、人質を解放し、飢え、平和な未来を望む人々を援助してください。

 レバノンとシリアのキリスト教共同体のために祈りましょう。シリアではその歴史上、微妙な移行が行われています。シリアの人々は、安定と、各国の運命に参加することを望んでいます。全教会にお願いします。関心と祈りをもって、愛する中東のキリスト信者に同伴してください。

 わたしの思いはとくにイエメンの人々に向かいます。彼らは、戦争により、世界でも最悪の「長期化した」人道危機を経験しています。すべての関係者に呼びかけます。建設的な対話を通じて解決を見いだしてください。

 復活したキリストが、苦しむウクライナに復活祭の平和の恵みを豊かに与えてくださいますように。そして、すべての紛争当事者が公正で永続的な平和を達成するための努力を続けるように、励ましてくださいますように。

 今日の祭りの日に、南コーカサスに思いを致しながら、祈ります。アルメニアとアゼルバイジャンの間で最終的な平和協定が調印・履行され、長く望まれている地域の和解がもたらされますように。

 復活祭の光が、西バルカン諸国の一致への決意を力づけ、緊張と危機の悪化回避のための政治的努力を支えてくださいますように。地域のパートナー諸国が危険で不安定をもたらす行動を拒否できますように。

 わたしたちの希望である、復活したキリストが、暴力と紛争の犠牲となっているアフリカの人々、とくにコンゴ民主共和国、スーダンと南スーダンの人々に平和と慰めを与えてくださいますように。サヘル地域、アフリカの角、太湖地域で緊張のために苦しむ人々、また多くの地域で信仰を自由に表明できないキリスト信者を支えてくださいますように。

 信教の自由、思想と言論の自由、異なる意見の尊重なしに平和はありえません。

 真の軍縮なしに平和はありえません。すべての国民が自国の防衛に備えなければならないことが、全面的な再軍備競争に変わってはなりません。復活祭の光が、分裂を作り出し、深刻な政治的・経済的帰結をもたらす障壁の撤廃を促しますように。復活祭の光が、互いにいたわり合い、相互の連帯を強め、すべての人間の人格の総合的な発展を促進する努力を励ましますように。

 復活祭の季節に、ミャンマーの人々への援助を欠くことがありませんように。ミャンマーの人々は、すでに長年にわたる武力紛争で苦しめられています。その上に、数千人の死者を出し、孤児、高齢者をはじめとする多くの生存者に苦しみをもたらしている、サガインの大地震の結果に対して勇気と忍耐をもって立ち向かっています。犠牲者とその遺族のために祈ります。そして、救助活動に当たる寛大なボランティアの人々すべてに心から感謝します。ミャンマーにおけるさまざまな当事者による停戦のニュースは、ミャンマー全体にとって希望のしるしです。

 政治的責任をもつ世界のすべての人々に呼びかけます。閉ざされた恐怖の論理に屈しないでください。むしろ、困窮した人を助け、飢餓と戦い、発展促進の取り組みを促すために資源を用いてください。これこそが平和の武具です。この武具が、死の種をまく代わりに、未来を築くのです。

 わたしたちの日々の行動の基盤として、人道的原則が欠けることがありませんように。無防備な市民を巻き込み、学校、病院、人道支援従事者を攻撃する、冷酷な紛争を目の当たりにするとき、これらの人々が標的ではなく、霊魂と尊厳をもった人格であることを忘れてはなりません。

 この聖年の間、復活祭が戦争捕虜と政治捕虜の解放のよい機会ともなりますように。

 親愛なる兄弟姉妹の皆さん。

 主の過越において、死といのちは驚くべき戦いの中で対決しました。しかし、今や主は永遠に生きておられます(復活の続唱参照)。そして、わたしたちも、終わりのないいのちにあずかるよう招かれているという確信を呼び起こします。そこではもはや、武器の轟音も死の反響も耳にすることがありません。主に自分をゆだねましょう。この方のみが万物を新しくするのです(黙21・5参照)。

 皆さん、復活祭おめでとうございます。

ローマ教皇フランシスコの葬儀ミサ
2025-04-23
注目重要

2025年4月22日(火)、教皇儀典室はローマ教皇フランシスコの葬儀ミサについて次の発表を行いました。
――― 
ローマ教皇フランシスコの葬儀ミサについての通知

「9日間の祈り」の第1日、2025年4月26日(土)午前10時(日本時間同日午後5時)、サンピエトロ広場で、『ローマ教皇の葬儀規則(Ordo Exsequiarum Romani Pontificis)』(第82-109条)の規定に従い、ローマ教皇フランシスコの葬儀ミサがささげられます。

葬儀は枢機卿団の首席枢機卿のジョヴァンニ・バッティスタ・レ枢機卿が司式します。

共同司式者は以下の方々です。

・総大司教と枢機卿の皆様は、ダマスク織りの白のミトラをお持ちの上、午前9時(日本時間午後4時)までに、サンピエトロ大聖堂のサン・セバスティアーノ礼拝堂にお越しください。

・大司教と司教の皆様は、ご自身のアミクトゥス、アルバ、チングルム、単純な白のミトラをお持ちの上、午前8時30分(日本時間午後3時30分)までに、「コンスタンティヌスの腕」にお越しください。

・司祭の皆様は、午前8時30分(日本時間午後3時30分)までに、ご自身のアミクトゥス、アルバ、チングルム、赤いストラをご着用の上、サンピエトロ広場の指定の席に直接お越しください。

感謝の祭儀の終わりに、「最後の死者のための祈り」(ltima commendatio)と「告別の祈り」(Valedictio)が行われます。ローマ教皇の棺はサンピエトロ大聖堂に運ばれ、そこからサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂に運ばれます。

***

自発教令『ポンティフィカリス・ドムス』(Pontificalis Domus)に従い、共同司式をせずに感謝の祭儀に参加するバチカン参事会参事会員は、e-mailのcelebrazioni@celebra.vaで指示される通知をお守りください。ご自身の典礼用祭服(アビトゥス・コラーリス)をご着用の上、午前9時(日本時間午後4時)までにサンピエトロ広場にお越しくださり、教皇儀典室が指示する席にご着席ください。

バチカン市国、2025年4月22日
枢機卿団の指示により

ディエゴ・ラヴェッリ
レカナーティ名義大司教
教皇儀典室儀典長

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